離婚事由にあたる不貞行為
これは不貞行為における申し立ての比率を端的に表したものです。離婚の申し立て事由の中で一番高いのは『性格の不一致』そしてニ番めが『不貞行為』と言われています。その倍率は妻の申し立てが圧倒的に多く、男性を1とするならなんと5、5倍まで登ります。なぜあんなにいい家庭がこんなことに……しかし起こった以上、やられた方としてはいい気分にならないものです。
婚姻関係の中にある『夫婦間の貞操義務』
一夫一婦制の日本において、多重婚は不貞行為とみなされます。その根拠となっているのが夫婦間における『貞操義務』です。不倫や浮気はこの貞操義務に反するもので、債務不履行や不法行為と取られても仕方がない行いと言えましょう。これは不倫や浮気に限った話ではなく、相手との売買春行為も含まれます。裁判においてはこれらの不貞行為を証明するため、さまざまな資料の提出や尋問が行われます。不倫を行った側からしてみれば公開の場で自ら行った行為が赤裸々に晒される訳ですから、これ以上の辱めはありません。それもあってか、不貞行為が事実だったとしても相手が深く反省し、今後良好な夫婦関係の再構築に努めると確約した場合は離婚を取り下げることもあります。不貞行為はあくまで本人の自由意志に基づいた肉体関係のみに言及されます。例えば妻が外出中に性的暴力を受けたといった、自由意志に反した肉体関係は不貞行為とみなされません。また、夫婦関係が既に破綻し、別居後に他の異性と肉体関係にあった場合も離婚事由として認められません(その代わり、その他の事由として扱われるケースも有ります)
不貞行為に当たらなくても離婚できる!?
肉体関係を持たない異性関係を『プラトニックな恋愛』と称しますが、この場合は不貞行為とみなされません。しかし、それはあくまで『配偶者の不貞行為』だけに言及した話。実際、異性との恋愛関係を重視した末に夫婦関係が崩壊。『その他の離婚事由』として離婚が妥当とみなされたケースもあります。いずれにしても不貞行為を立証するには証拠が必要です。浮気相手との旅行写真や手紙、メール。宿泊代や交通費の領収書、伝言メッセージなど、浮気が明確に分かる証拠を徹底的に探る必要が出てきます。この時に配偶者に問い詰めては、証拠を消したりと雲隠れされてしまいます。まずは弁護士などに相談し、秘密裏に証拠集めを行いましょう。そして、集めた証拠を叩きつけ、不倫している側に今後どうするかハッキリ決めさせる。これが一番スマートなやり方と言えます。
なぜ別居後の不倫関係は大丈夫なの?
別居後に不倫関係に陥っても不貞行為と認められない。一見するとおかしな話にも見えますが、これは婚姻関係が破綻しているかどうかが焦点になります。このさじ加減は難しいところですが、目安にして別居後6~7年経っていると『夫婦関係が崩壊している』とみなされ、不貞関係が成立しなくなる可能性が高くなります。この辺はそれぞれの感情論に陥りやすい部分なので、もし住居スペースの関係で別居を行う場合は、定期的に連絡をとったり実際に会うなどして、婚姻関係が持続していることを明らかにしましょう。たまに連絡を入れたり顔を見せることで、浮気をしようと思わせない。これも長い生活におけるコツと言えます。
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