離婚した方がいいか、しない方がいいのか?

離婚した方がいいか、しない方がいいのか?

離婚した方がいいのかわからないとき

「結婚は勢いでするもの」なんていう風に言われたりしますね。一方で離婚は決して「勢いだけでするもの」ではありません。なぜなら離婚は夫婦間だけの問題でなく、それぞれの両親や親戚、子供までも巻き込むことになるからです。

ですから、離婚するには、周囲の理解、手続き、お金や子供の問題など、乗り越えなくてはならない多くの壁があります。「離婚したい」という想いが強いと、とにかく早く離婚を成立させるにはどうすればいいか?ということばかり考えてしまいがちです。

しかし、少し冷静になって、離婚せずに問題を解決できないかどうかをじっくり考え直してみる時間を取ってみてください。離婚がその後の生活にもたらすインパクトは非常に大きいので慎重にすすめて悔いのない選択をしましょう。

 

あなたは本当に離婚した方がいいの?

離婚を考えている人にとって、離婚だけが解決策のように思えてしまうのは当然です。しかも離婚すれば全ての問題が解決してバラ色の人生が送れるような気がしてしまいます。

しかし、実際のところそうではありません。希望通りに比較的スムーズに離婚が成立したとしても、離婚後の生活は大変なことが少なくありません。「絶対に離婚してやるっ!」と肩に力が入っている状態が続いていたために、離婚が成立した途端に燃え尽きてしまって軽いうつ状態になるという方もいます。

また、あれだけ憎たらしいと思っていた配偶者がいなくなってせいせいした、という気持ちがしばらく続きますが、その後にものすごい寂しさに襲われたりもします。

単に結婚生活が少しだけうまくいっていないだけなのに、解決を離婚にばかり求めていませんか?本当に離婚するしかないのでしょうか?もう一度なぜ離婚したいのかを考えてみるようにしましょう。

 

冷静になって、自分の離婚したい気持ちを確かめる方法

怒りや悲しみに心をかき乱された状態では、正しい判断ができません。一度、心を落ち着けて「なぜ離婚したいのか?」ということを自分自身に問いかける時間を作ってください。

ただ、漠然と考えていてもあまり効果はありません。具体的に紙に書き出すことで何が問題になっているのかが見えてきます。どのような手順で進めるのがいいかをまとめておきますね。

 

(1)離婚したい理由を全て紙に書きだす

あまり難しく考えず、箇条書きのようなものでかまいませんので、離婚したい理由を紙に書きだして整理してみます。思いつくものをとりあえず片っ端から書いていきましょう。

「やさしい言葉をかけてくれない」「家事を手伝おうともしない」「やってもらって当たり前だと思っている」「浮気された」「家にお金を入れない」「ギャンブル癖が抜けない」といったように、頭に浮かんだものを全て紙に書き出してみましょう。

実は、紙に不満を書き出すというのはストレス解消にも効果があります。心の中に溜まっていたドロドロした思いを紙の上に吐き出すことで、いくらかスッキリします。また、紙に書き出された不満は、客観的に眺めることができます。私もたまに不満を紙に書き出したりしますが、書かれたものを見て「なんだ、ちっぽけな悩みだな。」と思って、不満だったことが気にならなくなったりします。

誰に見せるわけでもないので、自分の思っているものを紙の上に全て吐き出してみましょう。

 

(2)書き出した内容としっかり向き合う

先ほどの工程で離婚したい理由をすべて書き出したと思います。書き出した内容についてポイントを抑えながら一つ一つ検証し、自分自身と対話してみましょう。

 

その「離婚したい理由」は事実か?

例えば離婚したい理由が「旦那の浮気」だとします。その場合に本当に旦那が浮気しているのかどうか確認が必要です。旦那が白状した、とか決定的な証拠を見つけてしまった、という場合なら事実ですが「女の勘」だけで結論まで出してしまうのは早計だと思います。

特に「浮気や不倫」が原因の場合は相手に損害賠償請求をすることも視野に入れていかなければなりません。その際に証拠となるものが必要になってきます。「浮気されたから離婚だ」と騒ぎ立てておいて「間違いでした」では済まされません。

離婚したい理由が事実かどうかはしっかりと確認しましょう。

 

その「離婚したい理由」に改善の余地はないか?

離婚したい理由が「夫のギャンブル好きがヒドい」という場合、うまく改善できないでしょうか?このようなケースの場合、「ギャンブルを辞めさせる」というのを解決のゴールにすると失敗します。もう少し妥協案というか別のアプローチを探ってみましょう。

まずは現状の把握です。夫がギャンブルをすることで生活できないくらいお金に困っているのですか?仮に夫が週末にパチンコやスロットにばかり行っているとしても、「家にはちゃんと生活費を入れてくれていて、それなりに貯金もできている」というのであれば問題はあなたの気持ちだけです。

「平日はちゃんと働いて、家に生活費を入れてくれているからギャンブルくらいはしょうがないよね」と寛容な気持ちを持ってあげれば解決してしまいます。

また、夫がギャンブルばかりするので生活費に困ってしまっているというケースでも「月に2万円までならOK」という風に上限を決めるというやり方もあります。予算を決めて行えばギャンブルは安全な娯楽になります。「毎月ゴルフに行くのに2万円かかる」というのと同じですからね。

ギャンブルで問題になって来るのは上限を決めずに、お金を使い果たすまでやめないという遊び方だと思います。1ヶ月の予算を決めてそれを守ることができるのであれば問題は解決するかもしれません。

 

その「離婚したい理由」は許容はできないか?

離婚したい理由が「イビキがうるさくて睡眠不足になってしまう」というものの場合、例えばベッドルームを別にすることで許容できないでしょうか?部屋を変えても多少イビキが聞こえるかもしれません。それでも前よりもグッスリと眠れるということもあると思います。

長く一緒に生活していると、ささいな事が気になってしょうがないという部分も出てくると思います。とはいえ、相手に完璧を求めるのはハードルが高すぎると思います。「完璧な人間なんていないんだから、これくらいのことは許してあげよう」と思えないか?自分自身と相談してみましょう。

 

その「離婚したい理由」は夫婦で解決できる方法や協力できることはないか?

離婚したい理由が「夫が全く家事を手伝ってくれない」というものだった場合を例に考えてみましょう。まずポイントになってくるのは、「あなたがこれまで旦那さんに『家事を手伝って欲しい』ということを伝えたことがあるかどうか」です。

単に旦那さんに伝えれば手伝ってくれるようになって解決する、という問題である可能性もあるということです。長く結婚生活をしていると、自然と家庭内での役割分担のようなものができあがったりします。その中で無意識のうちに旦那さんが「俺は家事に口出ししてはイケナイ」って思ってるだけかもしれません。

そういう可能性について考えてみたことありますか?もし、まだ旦那さんに家事についてのことを言っていないのであれば伝えてみてください。何かが変わるかもしれないし、離婚するという決意が強まる結果になるかもしれません。でも、独りよがりな判断をしてしまうということは免れますよ。

 

その「離婚したい理由」について離婚が最善の方法なのか?

ここまでの質問を通して、「離婚以外に本当に解決策は無いのか?」もう一度しっかりと考えてみましょう。具体的な現在の状況と問題になっている部分が明確になると、正しい判断をしやすくなります。改めて離婚という選択が最善なのかどうか考えてみましょう。

 

 

信頼できる両親や友人に相談する

ここまで自分が離婚したい理由と向き合った後であれば、両親や信頼できる友人に意見を聞いてみるというのも一つの方法です。何の準備もなく相談しても、本当にそれがベストな選択なのかどうかわからないままに両親や友人の主観だけで判断してしまうおそれがあります。

もちろん両親や友人は、あなたのために良かれと思って知恵を絞ってくれると思います。ですが、あなたがどんな結婚生活を送っていて、何に不満を感じているかまでは両親や友人は知りません。その状態でのアドバイスは主観的なものになってしまいがちです。

この、自分の離婚したい理由としっかり向き合うという作業は離婚を回避するためだけに行うわけではありません。実際の離婚手続きを進める際に、話がスムーズになります。なぜなら、離婚したい理由がその背景も含めて明確になっているからです。

「なんとなく離婚したい」という弱い理由だけでは、離婚が認められないケースもあります。離婚したい理由を明確にしておくことは、離婚するためにかかる労力を軽くしてくれるという大きなメリットがあります。ですから、是非めんどくさいと思わずにやってみてください。

 

離婚したい理由を肯定できるかどうか

この作業は考え直すためではなく、今の自分の考えが正しいかどうかを冷静に判断していくためのものと、とらえてやってみましょう。離婚したいと考えるときには、どうしても相手や自分を否定しようとしてしまいます。しかし否定して得た結果では、その後の人生を肯定していくことが難しくなります。なぜ相手を受け入れられないのかをかんがえ、受け入れられない理由をきちんと肯定できるまで、じっくりと自分と向き合ってみましょう。

離婚したい理由が自分の納得いくものかどうか判断するのに簡単な基準があります。それは、自分にとっての大事な人の目を見て胸を張って伝えられる理由かどうかということです。大事な人というのは、あなたの両親、お子さん、配偶者のご両親などです。

そういったないがしろにできない大切な人に対して、面と向かって伝えられる離婚理由であれば、ちゃんとしているんだと思います。そうでないなら、何が問題なのかをもう一度考えてみるのがいいかもしれませんね。

 

離婚の手続きは冷静に進めるようにする

自分ときちんと向き合い、その結果、離婚の意思が固まったら、手続きはさらに冷静に進めていく必要があります。夫婦間で離婚に合意できていれば、離婚手続き自体は難しいことではありませんが、子供の親権や財産分与など、多くの事柄を話し合い、取決めをし、書面を作成する必要があります。

また、それぞれに合意が得られなければ、さらに調停や裁判といった過程を経なければなりません。これは長期間にわたる可能性があるため、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。調停や裁判を終えて、ようやく始まる離婚後の生活には、もっと力が必要になります。感情の起伏は、体力を消耗させます。なるべく冷静に、ぶれることなく手続きを進める努力をしましょう。

 

専門家に気軽に相談を

結婚生活に不満を抱き、ふと離婚という文字が頭に浮かんだときは、気負わずに、まずは気軽な気持ちで弁護士等の専門かに相談にいき、離婚についての大まかな法的知識を得ることをおすすめします。誤った知識をもとに離婚についてあれこれと考えてみても、誤った判断をするおそれがあります。

離婚についての正しい知識を得てはじめて、離婚のメリット、デメリットを冷静に判断することができるようになるのです。深刻に離婚を考え始める前に、弁護士等の専門家に相談することが重要なのです。

 

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